歯の黄ばみが気になるけれど、歯科医院でやるオフィスと自宅でやるホームの、どちらを選べばいいのか分からない。
そんな相談を、歯科の現場にいた頃から何度も受けてきました。
三浦陽子です。
先に結論を書きますと、選ぶ基準は値段や人気ではなく、いつまでに白くしたいかと、その白さをどれくらい保ちたいかの二つにあります。
この記事では、両者の仕組みの違いから、4つの判断軸、白さを保つ過ごし方までを順に整理していきます。
ホワイトニングは、歯を削らずに白くする処置です
比べる前に、言葉の範囲をそろえておきたいと思います。
ホワイトニングという言葉は、じつは指す範囲がとても広く、それが混乱のもとになっているからです。
広い意味と狭い意味があります
日本歯科医師会が運営するテーマパーク8020の歯のホワイトニングでは、広い意味でのホワイトニングを、茶渋やタールなど歯の表面に沈着した色素を除去したり、いろいろな原因で変色した歯を白くすることと定義しています。
この広い意味には、市販の歯みがき剤やデンタルリンスを家庭で使うことから、歯科医院で歯を削って人工の歯に置き換える治療までが含まれます。
いっぽう狭い意味でのホワイトニングは、歯を削らずに漂白剤(主に過酸化水素)で化学的に白くするブリーチング、つまり漂白のことだけを指します。
この記事で比べるオフィスホワイトニングとホームホワイトニングは、どちらもこの狭い意味のほうです。
歯の表面をこすって落とすのではなく、歯の内側の色そのものを薬剤で分解する処置だと考えてください。
削る処置より先に、漂白を検討する理由
同じページには、2000年に世界歯科連盟が「最小限の侵襲による歯科治療」を提言したことが紹介されています。
歯に対する侵襲が少ない順に処置を並べた表が示されていて、歯みがきやマウスウォッシュがもっとも侵襲が少なく、専門家によるクリーニング、歯のマニキュア、そして漂白がそれに続きます。
セラミックを貼りつけるラミネートベニアや、かぶせ物にする方法は、その下に位置づけられています。
歯は削るほど寿命が短くなりやすいので、満足できる効果が得られるならより侵襲の少ない処置を選びたい、というのがこの並び順の考え方です。
白い歯を手に入れる方法はいくつもありますが、削らずに済む方法が先にある、という順番だけは覚えておいてほしいのです。
クリーニングだけで色が戻ることもあります
コーヒーや紅茶の茶渋、たばこのタールのように、色素が歯の表面に付いているだけの変色は、多くの場合プロによる歯面研磨だけで歯本来の色を取り戻せます。
一方、歳を重ねるとともに出てくる歯の黄ばみは、同ページで漂白の最適応症とされています。
つまり、気になっている色が表面の汚れなのか、歯そのものの色なのかで、必要な処置は変わります。
ここを自分で見分けるのは、鏡を近づけてもなかなか難しいものです。
遠回りに見えても、最初に歯科医院で色の原因を診てもらうのが結局は早い、と私は思っています。
オフィスホワイトニングは、歯科医院で短期間に白くする方法です
まず、歯科医院の診療室で行うオフィスホワイトニング(オフィスブリーチ)から見ていきます。
高濃度の薬剤を塗って、光を当てます
テーマパーク8020の歯の漂白法の種類によると、オフィスブリーチは診療室内で行われる漂白処置法で、過酸化水素を含む漂白剤のペーストを歯面に塗り、光線を照射します。
使う過酸化水素の濃度は35パーセント前後と高く、だからこそ歯科医師や歯科衛生士の管理のもとでしか扱えません。
歯ぐきに薬剤が触れないよう保護材でおおい、薬剤を塗り、光を当てて反応を進め、洗い流す。
これを1回の来院のなかで数回くり返すのが一般的な流れです。
処置中は口を開けたままになるので、そこだけは少し辛抱が必要になります。
1回は約1時間、目標の白さまでは3〜6回が目安です
同ページでは、1回の所要時間は約1時間程度で、通常3〜6回の通院が必要と説明されています。
ここは誤解の多いところで、1回でも変化を感じる人は多いのですが、1回で終わる処置とはかぎりません。
「1回で白くなる」という言葉と「目標の白さになる」という言葉は、意味が違うのです。
得意なことと、苦手なこと
オフィスの強みは、短期間で色が動くところにあります。
急ぎの予定に間に合わせやすいのは、この方法だけです。
弱点も同じところから生まれます。
テーマパーク8020は、オフィスブリーチは短時間で白くする処置なので、漂白効果と後戻りのどちらも個人差が大きいと述べています。
同じ薬剤を同じ回数使っても、思ったほど動かない人と、驚くほど動く人がいます。
そして白さが戻ってくる速さにも、同じだけ差が出ます。
もうひとつ、知っておくと慌てずに済むことがあります。
漂白処置による歯へのダメージのページでは、約35パーセントの高濃度過酸化水素を使ったオフィスブリーチのあと、エナメル質の表面がわずかに荒れて、すりガラスのように白く濁ることがあると説明されています。
この白濁は通常、数日のうちに自然に消えます。
ただし歯の一部に石灰化が不十分な部分や脱灰した部分があると、そこだけが際立って白く残り、追加の処置が必要になることもあります。
ホームホワイトニングは、自宅で時間をかけて白くする方法です
つぎに、自宅で行うホームホワイトニング(ホームブリーチ)です。
トレーブリーチングとも呼ばれます。
自分の歯型に合わせたトレーを作ります
はじめに歯科医院で歯型をとり、自分専用のマウストレーを作ります。
市販のマウスピースとは違い、薬剤を歯の面に均一に留めておくための、その人だけの型です。
できあがったら薬剤を受け取り、あとは自宅でトレーの内側に薬剤を入れ、決められた時間だけ装着します。
テーマパーク8020では、1日2時間のトレー装着を2週間続けるのが基本と説明されています。
歯科材料メーカーのジーシーが運営する医療ホワイトニングの種類では、1日1〜2時間の使用を10〜14回、製品によって異なると案内されています。
2週間という数字は、毎日きちんと入れられた場合の目安だと考えてください。
使うのは、もともと歯ぐきの薬だった成分です
ホームで使う薬剤は10パーセントの過酸化尿素ゲルで、オフィスの過酸化水素とは別の成分です。
テーマパーク8020には、この過酸化尿素ゲルが、かつて歯肉炎や歯周炎の治療薬として研究されていたものだと書かれています。
トレーに入れて歯に被せると、過酸化尿素が徐々に分解して、低濃度の過酸化水素が発生します。
その濃度は、傷口に塗る消毒薬のオキシドールと同じくらいだと説明されています。
低濃度の薬剤がゆっくり働くので、漂白処置による歯へのダメージのページでも、ホームブリーチでは歯がダメージを受ける心配はないとされています。
副次的な効果として報告されているものもあります。
- 歯の表面へのプラーク(歯垢)の付着が抑えられる
- むし歯の原因となる細菌の数が減る
- 歯周ポケットが浅くなる
美容目的で始めた人が、ついでに口の中の環境まで整えてしまう。
歯ぐきの薬として研究されていた成分だと知ると、この報告にも納得がいきます。
得意なことと、苦手なこと
ホームの強みは、仕上がりの読みやすさと、色の戻りにくさです。
テーマパーク8020は、ホームブリーチは効果の予知性が高く、作用がマイルドで透明感のある自然な白さが得られ、オフィスブリーチに比べると後戻りも少ないと述べています。
安全性についても、アメリカでは6か月間連続して装着しても安全であることが確認されていると書かれています。
苦手なのは、速さです。
今日明日でどうにかなる方法ではありません。
そしてもうひとつ、続けられるかどうかがすべてを決めます。
私が現場にいた頃も、トレーを作ったのに数日で引き出しにしまってしまう方が、少なからずいらっしゃいました。
二つの違いを、一覧で比べてみます
ここまでの内容を表にまとめます。
| オフィスホワイトニング | ホームホワイトニング | |
|---|---|---|
| 行う場所 | 歯科医院の診療室 | 自宅 |
| 薬剤 | 高濃度の過酸化水素(35パーセント前後) | 10パーセント過酸化尿素 |
| 1回の時間 | 約1時間 | 1日1〜2時間 |
| 回数の目安 | 通常3〜6回の通院 | 2週間ほど毎日(10〜14回) |
| 白くなる速さ | 早い | ゆるやか |
| 白さの質 | 個人差が大きい | 透明感のある自然な白さ |
| 後戻り | 比較的早い | 比較的少ない |
| 主な負担 | 通院の予定調整 | 毎日続ける手間 |
白さの「質」も少し違います
数字に出ない違いとして、白さの見え方があります。
オフィスは短時間で強く反応させるので、直後は明るく白くなる代わりに、時間の経過とともに落ち着いていきます。
ホームはゆっくり内側から色が抜けるので、透明感のある自然な白さになりやすいと説明されています。
どちらが良いかは好みの問題です。
写真ではっきり白く見せたいのか、近くで話したときに自然に見せたいのか。
そこを自分の中で決めておくと、歯科医院での相談がぐっと具体的になります。
費用は、どちらも自由診療です
テーマパーク8020の漂白にかかる費用のページには、漂白処置はすべて健康保険の対象ではなくなったので私費診療となり、歯科医院によって費用が異なるため、処置を受ける前に料金体系について十分に説明を受けてほしいと書かれています。
公的な統計はありませんが、歯科医院が公開している料金を見比べると、おおよそ次のような幅に収まっています。
| 方法 | 費用の目安 |
|---|---|
| オフィスホワイトニング | 1回あたり1万円〜7万円ほど |
| ホームホワイトニング | 2万円〜5万円ほど |
| 二つを組み合わせる方法 | 5万円〜10万円ほど |
幅が大きいのは、使う薬剤や照射する機器、含まれる回数が医院ごとに違うからです。
それに加えて、始める前のむし歯の検査やクリーニングが別料金になることも多いので、総額で聞いておくと安心です。
あなたに合うのはどちら?4つの判断軸で決めます
さて、本題です。
迷ったときは、次の4つを順に自分に当てはめてみてください。
判断軸1 いつまでに白くしたいか
期限がはっきりしているなら、答えは決まっています。
- 2週間を切っているならオフィス。ホームは白くなるまでに2週間ほどかかるので間に合いません
- 1か月以上先の予定なら、ホームでも十分に間に合います
- 特に期限がないなら、後戻りの少ないホームから始めるのが無理のない選び方です
結婚式や成人したお子さんの記念写真、久しぶりの同窓会。
そういう日付のある予定に向けて相談に来られる方が、いちばん多かったように思います。
判断軸2 白さをどれくらい保ちたいか
一度きりのイベントのためなのか、これから先ずっと明るい歯でいたいのか。
ここで選ぶ方法が変わります。
後戻りの少なさで選ぶならホームです。
ジーシーの資料でも、ホームホワイトニングの利点として、オフィスホワイトニングよりも白さが長持ちすることが挙げられています。
ただし、何か月保てるかを言い切れる数字はありません。
歯の質や食習慣、喫煙の有無で変わりますし、オフィスについてはテーマパーク8020が後戻りにも個人差が大きいと指摘しているとおりです。
白さを保ちたいのであれば、いずれの方法でも手入れを続ける前提で考えてください。
判断軸3 毎日1〜2時間を、2週間続けられるか
ホームを選ぶうえで、いちばん現実的な関門がここです。
入浴後にトレーを入れて、そのまま本を読む。
夕食の片づけを終えてから装着して、洗い物の続きをする。
そんなふうに、すでにある習慣にくっつけられる時間が毎日あるかどうかを考えてみてください。
出張が多い、夜の時間が読めない、小さなお子さんがいて自分の時間が細切れになる。
そういう暮らしの方は、通院日を決めてしまえるオフィスのほうが向いています。
続かない方法を選んでしまうと、費用も気持ちも無駄になります。
判断軸4 しみやすい歯かどうか
冷たいものでときどきしみる、という自覚がある方は、この軸も加えてください。
テーマパーク8020は、どちらの方法でも多少の知覚過敏を生じることがあるものの、通常は一時的なものだと説明しています。
ジーシーの注意事項とアフターケアでは、しみる症状はホームホワイトニングでは4時間以内、オフィスホワイトニングでは24時間以内にほぼ消失するとされています。
低濃度の薬剤を使うホームのほうが刺激はおだやかですが、装着時間を短くしたり、日を空けたりといった調整ができる点も、ホームの利点です。
なお、すでに知覚過敏がある場合は、先にその治療をしてからになります。
迷ったときは、二つを組み合わせる方法もあります
どちらか一方に決めなければいけない、というものではありません。
オフィスで白くして、ホームで保つ
テーマパーク8020の漂白法の説明には、これらを組み合わせて行うこともあると書かれています。
歯科医院ではデュアルホワイトニングと呼ばれることが多い方法です。
まずオフィスで一気に色を動かし、そのあとホームで白さを整えながら保つ。
オフィスの速さとホームの持続性を足し算にできるので、期限もあって、その後も保ちたいという方には理にかなった進め方です。
費用はその分かさみますし、通院とセルフケアの両方が必要になります。
白さが戻ってきたときの「タッチアップ」
ホーム用のトレーを一度作っておくと、あとが楽になります。
色が戻ってきたと感じたときに、薬剤だけを追加してもらい、数日だけ装着して整える方法があるからです。
ジーシーの資料では、白さを長持ちさせるためのアフターケアとして、歯科医院での定期的なクリーニングと、色が気になりはじめたときの再ホワイトニング(タッチアップ)が挙げられています。
テーマパーク8020も、いずれの漂白法でも多少の後戻りが生じる可能性があるため、白さを維持するには定期的に歯科を受診してチェックとクリーニングを受け、必要に応じて再漂白を受けることが大切だと述べています。
一度白くして終わり、ではなく、手入れをしながら付き合っていくもの。
そう考えておくと、後戻りに落胆せずに済みます。
白さを長持ちさせる、直後の過ごし方
方法を選んだあとの話も、少しだけさせてください。
ここを知らずに過ごしてしまう方が、本当に多いのです。
最初の1時間が、いちばん色を吸いやすい
テーマパーク8020の漂白処置直後の注意点によると、漂白処置によって歯の表面を保護している有機質の皮膜(ペリクル)が一時的に除去され、歯の表面のハイドロキシアパタイトがむき出しの状態になります。
この状態では色素が沈着しやすく、また酸性の強い飲み物に触れると表面が溶けやすくなります。
唾液が触れることで皮膜は徐々に再生されるので、漂白後の1時間程度はとくに注意が必要だと書かれています。
具体的に控えたいものが、同ページに挙げられています。
- グレープフルーツ、レモン、オレンジなど酸性の強い飲み物
- カレーライス、赤ワインなど色の濃い飲食物
- 喫煙
ジーシーの注意事項では、24時間以内はこれらを控えることをすすめています。
1時間を過ぎれば急に危険がなくなるわけではありませんから、その日はうすい色のものを選んでおく、というくらいの心構えでいるとちょうどよいと思います。
おでかけ前なら、白身魚や豆腐、鶏肉といった献立に寄せるだけで違います。
フッ素を塗ってもらうと取り込みが良くなります
同じページには、この時期にフッ素を塗布すると取り込みが非常に良くなる、とも書かれています。
歯の表面がむき出しになっているタイミングを、守りに使えるということです。
施術後にフッ素塗布をしてもらえるか、歯科医院で聞いてみてください。
歯がボロボロになるのでは、という心配についても、ひとつ数字を紹介しておきます。
高濃度の過酸化水素を120時間接触させたときに歯から溶け出すミネラルの量は、ソフトドリンクやフルーツジュースに2分から2分半接触させたときと同じ程度だと研究報告されています。
さらに近年の研究では、漂白後に人工唾液に触れることで再石灰化が促進され、エナメル質内部のミネラル濃度が上がり、歯質の耐酸性が向上したという報告もあるそうです。
白くならない歯、受けられない人もいます
漂白は万能の処置ではありません。
ここを最初に知っておかないと、期待と結果がずれてしまいます。
詰め物・被せ物は白くなりません
テーマパーク8020には、金属製の詰め物や被せ物は漂白で白くすることはできないので、歯と同じ色の材料に置き換えると書かれています。
セラミックやレジンでできた白い詰め物も同じで、漂白剤では色が変わりません。
自分の歯だけが白くなり、詰め物との色の差が目立つようになる場合もあるので、前歯に治療の跡がある方は、順番から相談してください。
また、自分の歯であっても、金属イオンで変色した場合は漂白が不可能とされています。
変色の原因ごとに、向き不向きを整理しておきます。
| 変色の原因 | 漂白の向き不向き |
|---|---|
| 加齢による黄ばみ | 最適応症とされる |
| 茶渋・たばこのタールなど表面の色素 | 多くは歯面研磨だけで戻る |
| テトラサイクリンによる濃い変色 | 有髄歯の漂白では難症例 |
| 神経を取った歯の変色 | 内側から薬剤を入れるウォーキングブリーチの対象 |
| 金属イオンによる変色 | 漂白は不可能 |
| 詰め物・被せ物・インプラント | 白くならない |
受けられない人、時期を選ぶ人
テーマパーク8020には、妊娠中あるいは授乳中の女性は、胎児や乳児への漂白剤の影響が確認されていないため、その時期は避けた方が良いと書かれています。
ジーシーの注意事項では、これに加えて次のような方が挙げられています。
- 無カタラーゼ症の方
- 小児・乳児
- 歯科治療で用いる材料にアレルギーのある方
- 気管支喘息などの呼吸器疾患や光過敏症がある方(光を使うオフィスの場合)
先に治しておくものがあります
むし歯がある、詰め物が壊れている、歯ぐきに炎症がある、すでに知覚過敏がある。
こうした状態のままでは薬剤が歯の内部にしみ込んで痛みが出やすくなるため、先に治療が必要になります。
遠回りに感じるかもしれませんが、痛みを我慢しながらの漂白は続きません。
私は、この順番を守った方のほうが、結果として満足度が高かったように記憶しています。
サロンの「セルフホワイトニング」は、別のものです
最後に、混同されやすい話をひとつ。
街で見かけるセルフホワイトニングのサロンは、ここまで説明してきた漂白とは別のものです。
漂白剤は、歯科医師と歯科衛生士でなければ扱えません
日本歯科審美学会の歯のホワイトニングについてには、はっきりこう書かれています。
漂白の効果が学術的に認められているものはいずれも過酸化物からなるホワイトニング剤を使用する方法で、医薬品医療機器等法上、医療用具(歯科材料)とされており、歯科医師または歯科衛生士の資格を持たない者がこれを用いて施術することは違法行為になる、と。
同学会は、美容室やエステティックサロンに類する店舗で歯のホワイトニングが行われているとの報告について、医薬部外品や化粧品に属する製品を使用してクリーニングに相当する行為が行われているものと推察されるが、製品や方法の詳細は不明で、学会が推奨するものではないとも述べています。
歯の表面の汚れを落とす行為と、歯の内側の色を分解する漂白は、目的から違います。
契約のしくみも違います
もうひとつ気をつけたいのが、契約の面です。
国民生活センターは2025年7月22日に、無料体験と思ったら…?「セルフホワイトニング」の契約トラブルを公表しています。
無料体験のつもりで出向いたのに、体験のみなら料金が発生すると言われてその場で契約し、決済後にクーリング・オフの適用はないと説明された事例。
今日だけのキャンペーン価格と急かされて10回分3万円の回数券を買い、帰宅後すぐに解約を申し出たが不可と言われた事例。
どちらも実際に寄せられた相談です。
エステティシャンが施術を行うエステティックサロンの場合、期間が1か月を超え金額が5万円を超えると、特定商取引法の特定継続的役務として、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフができます。
ところがセルフホワイトニングは自分で機器を使用するため、一般に同法の対象外となるケースが多く、クーリング・オフや契約書面の交付義務、中途解約のルールが適用されません。
契約を急かされたら、その場では断る。
不安に思ったら、消費者ホットライン188に相談する。
歯の色の話をしていたのに契約の話になってしまいましたが、ここまで含めて知っておいてほしいことです。
まとめ
長くなりましたので、要点だけ振り返ります。
- 期限が2週間以内ならオフィス、それより先ならホームでも間に合う
- 白さを長く保ちたいなら、後戻りの少ないホーム
- 毎日1〜2時間を2週間続けられそうにないなら、通院日を決められるオフィス
- 急ぎで、その後も保ちたいなら、二つを組み合わせる方法もある
- 直後の1時間と、その日1日は、色の濃いものと酸性の強いものを控える
歯の色の相談に来られる方は、たいてい色そのものの話をしにいらしているのではありません。
写真で口を閉じてしまう、笑うときに手が出る、そういう小さな遠慮が積み重なって、鏡の前に立たれています。
その遠慮がひとつ減るなら、漂白は十分に意味のある処置だと私は思っています。
ただ、どちらの方法にも向き不向きがあり、白くならない歯もあります。
だからこそ、はじめの一歩は薬剤選びではなく、自分の歯の色の原因を診てもらうことから。
そこさえ間違えなければ、あとは今日ご紹介した4つの軸で、あなたに合うほうが自然に決まっていきます。