歯が痛くないから虫歯はない。
大人の口の中では、この前提があまりあてになりません。
元歯科医師でライターの三浦陽子です。

とくに見つけにくいのが、治したはずの歯がもう一度虫歯になる「二次う蝕」です。
詰め物の下で静かに広がり、気づいたときには神経まで届いていることがあります。
なぜ痛まないのか、どこを見れば早く気づけるのか、今日から何を変えればいいのかを順にお話しします。

痛くないのに、虫歯はある

「痛くなったら歯医者に行く」という付き合い方は、子どもの頃はそれなりに機能します。
生えたばかりの歯にできる虫歯は進みが速く、しみたり痛んだりという合図を早い段階で出してくれるからです。
ところが大人の歯では、その合図がずいぶん鈍くなります。

「歯が痛い」人は3.0%、未処置の虫歯がある人は28.2%

厚生労働省が実施した令和6年歯科疾患実態調査に、この食い違いがそのまま出ています。
歯や口で気になることとして「歯が痛い」と答えた人は、全体の3.0%でした。
最も高かった60〜64歳でも4.6%です。

一方、口の中を実際に診てもらった結果、未処置の虫歯があった人は28.2%。
60歳以降はどの年齢層でも30%を超え、85歳以上では44.0%にのぼります。
痛みを自覚している人の10倍前後の人が、削る必要のある虫歯を抱えたまま日常を過ごしている計算になります。

さらに言えば、35歳から85歳未満のどの年齢層でも、虫歯の経験がある人は90%を超えています。
つまり中高年のほとんどが、口の中に治療の跡を持っているということです。
その跡こそが、これからお話しする二次う蝕の舞台になります。

神経を取った歯は、痛みの信号を出せない

根管治療で歯の神経(歯髄)を取り除いた歯は、しみることも痛むこともなくなります。
痛みを伝える組織そのものがないのですから、当然です。

問題は、神経がなくなっても歯が虫歯にならなくなるわけではない点にあります。
被せ物の縁から菌が入り、内側の象牙質が溶けていっても、本人には何の自覚もありません。
私が診療室にいた頃、いちばん申し訳ない気持ちになったのがこのパターンでした。
「一度治した歯だから安心していた」とおっしゃる方に、根の先まで進んだ像を見せなければならない。
あの説明は、何度経験しても慣れませんでした。

歳を重ねた歯は、自分から痛みを鈍らせる

神経のある歯でも、大人になると反応が変わります。
歯は外からの刺激を受け続けると、歯髄の側に新しい象牙質(第二象牙質、修復象牙質)を足していきます。
神経を守るための、歯なりの防御です。

同時に、象牙質の中を走る細い管が石灰化して詰まっていきます。
その結果、冷たい水がしみるような刺激が神経まで届きにくくなります。
守られているのは事実ですが、裏を返せば警報装置の感度が落ちているということでもあります。

50代の方から「若い頃より歯がしみなくなった」と聞くことがあります。
たいていは丈夫になったのではなく、鈍くなっただけです。

二次う蝕とは、治した歯にもう一度できる虫歯のこと

二次う蝕(二次カリエス)は、詰め物や被せ物の周囲にできる新しい虫歯を指します。
専門的には修復物辺縁のう蝕、英語ではsecondary cariesやrecurrent cariesと呼びます。
「治療の失敗」というより、修復した歯にほぼ必ずついて回る、時間の問題としての現象です。

詰め物と歯の「境目」から始まる

どれほど精密に作られた詰め物でも、天然の歯と完全に一体化することはありません。
そこには必ず継ぎ目があります。

歯科材料と歯のあいだにできる隙間は、数十マイクロメートル単位のこともあります。
目には見えず、舌でも感じません。
ところが虫歯菌の大きさは1マイクロメートルにも満たないので、その隙間は菌にとって十分な通り道になります。

しかも境目は歯ブラシの毛先が当たりにくい場所です。
プラークが残りやすく、酸にさらされる時間が長くなります。

接着剤と材料が、時間とともにゆるむ

詰め物は接着材やセメントで歯に留められています。
この接着層は、噛む力と唾液と温度変化に毎日さらされ続けます。

熱い味噌汁と冷たい麦茶を交互に口に入れれば、金属と歯はそれぞれ違う割合で伸び縮みします。
コンポジットレジンには、固まるときにわずかに縮む性質(重合収縮)があります。
そうした小さなずれが何年も積み重なって、境目に隙間が生まれます。

最初の治療で残った菌が育つこともある

もうひとつ、正直にお伝えしておきたいことがあります。
虫歯を削るとき、感染した部分をどこまで取るかは術者の判断に委ねられる部分が大きい。
近年は健康な歯質をなるべく残す方針が主流ですが、その分、わずかな取り残しが後から動き出すこともあります。

原因を整理すると、おおむね次の3つに分かれます。

  • 詰め物と歯の境目にできた隙間から菌が入る
  • 接着材やセメントが劣化して、詰め物との間がゆるむ
  • 最初の治療で取り切れなかった感染部分が時間をかけて広がる

どれも、外から見ただけでは判断がつきません。

数字で見ると、二次う蝕はまったく珍しくない

「自分の詰め物は大丈夫だろうか」と気になった方のために、実際の数字を並べておきます。

修復物がもつ年数と、やり直しの理由

札幌市内の歯科医院で行われた一般診療の記録を追った研究が、口腔衛生学会雑誌に掲載されています。
青山貴則氏らによる臼歯部修復物の生存期間に関連する要因(2008年)です。

修復物の種類平均生存期間10年生存率
メタルインレー約10.4年(3,804日)67.5%
コンポジットレジン約9.7年(3,532日)60.4%
4/5冠約9.1年(3,332日)60.5%
メタルクラウン約9.0年(3,276日)55.8%
メタルブリッジ約7.0年(2,557日)31.9%

そして再治療の原因を調べたところ、二次う蝕によるものが最も多く、コンポジットレジンで78.2%、メタルインレーで72.4%を占めていました。
やり直しの主な理由は、外れたことでも欠けたことでもなく、その下でまた虫歯になっていたことだったわけです。

10年という数字を短いと感じるか長いと感じるかは人それぞれだと思います。
ただ、30代で入れた詰め物は50代までもたない可能性のほうが高い、とは言えます。

30年間予防を続けた人でも、新しい虫歯の8割は二次う蝕だった

もうひとつ、予防歯科の世界でよく引かれるスウェーデンの長期研究があります。
Axelssonらが2004年にJournal of Clinical Periodontologyへ報告した、30年間のプラークコントロールプログラムの追跡調査です。

丁寧な予防管理を30年続けた成人グループでは、失った歯は年齢層ごとに0.4〜1.8本にとどまりました。
新しくできた虫歯も平均1.2〜2.1本と少ない。
ここまでは予防の効果を示す明るい数字です。

注目したいのはその内訳で、新しい病変のおよそ80%が二次う蝕に分類されていました。
きちんと管理された口の中でも、新しく虫歯ができるとしたら、その多くは治療済みの歯の周りだったということになります。

削るたびに、歯は少しずつ小さくなる

二次う蝕がやっかいなのは、見つかった時点でほぼ確実に「前より大きく削る」ことになる点です。
古い詰め物を外し、その周囲の感染した部分を取り除けば、穴は必ず一回り広がります。

小さな詰め物が大きな詰め物になり、やがて被せ物になる。
歯の壁が薄くなれば神経を取ることになり、神経を失った歯は割れやすくなる。
その先にあるのが抜歯です。

一度の治療で寿命が決まるわけではありませんが、やり直しの回数には限りがあります。
だからこそ、1回目のやり直しをできるだけ遅らせることに意味があります。

中高年でとくに増える「根面う蝕」

大人の虫歯を語るとき、二次う蝕と並べて避けて通れないのが根面う蝕です。
どちらも痛みなく進むという点で共通していて、しかも同時に起きることがよくあります。

歯ぐきが下がった分だけ、弱い面が顔を出す

歯の頭の部分は硬いエナメル質に覆われていますが、歯ぐきに隠れている根の表面にエナメル質はありません。
加齢や歯周病で歯ぐきが下がると、この無防備な面が口の中に露出します。
そこにできる虫歯が根面う蝕です。

公益社団法人神奈川県歯科医師会の解説大人のむし歯「根面う蝕」にご用心では、70代の65%、80代の70%に見られるとされています。
先ほどの令和6年歯科疾患実態調査でも、未処置の根面う蝕がある人は30代から現れはじめ、85歳以上では19.0%に達していました。

厄介なのは溶け出しやすさの違いです。
エナメル質が溶け始めるのは口の中がpH5.5を下回ったあたりですが、根の表面はおよそpH6.2前後で溶け始めます。
エナメル質なら耐えられる程度の酸性度でも、根面はすでにミネラルを失っている。
同じ食生活を続けていても、歯ぐきが下がった時点でリスクの前提が変わってしまうわけです。

唾液が減ると、進みが速くなる

大阪大学の研究紹介記事大人の歯のつけ根のむし歯「根面う蝕」に注意では、高齢者の根面う蝕と唾液の減少との関係が指摘されています。
唾液は加齢とともに減りますが、それ以上に影響が大きいのが薬の副作用です。
高血圧やアレルギーの薬を飲みはじめてから口の渇きを感じるようになった、という話は診療室でもよく聞きました。

唾液には、酸を中和する働きと、溶け出したミネラルを歯に戻す働きがあります。
量が減れば、その両方が弱まります。
薬を減らすわけにはいきませんから、減った分をフッ化物や清掃で補うという発想に切り替える必要があります。

削らずに止められることもある

根面う蝕には、明るい面もあります。
初期の段階であれば、削らずにミネラルを戻す再石灰化療法が第一の選択肢になるからです。

表面が茶色く変色していても、探ってみると硬く、進行が止まっているケースがあります。
そういう歯を無理に削るのは、かえって損です。
自己判断は難しいので、気になる変色を見つけたら「削らずに様子を見られる状態かどうか」を歯科医院で確かめてもらってください。

気づくために、家と歯科医院でできること

痛みが当てにならないのであれば、別の手がかりを持つしかありません。
完璧に見つける方法はありませんが、早める方法はあります。

家で拾える手がかり

自分で気づける変化は、痛みよりずっと地味です。
鏡と歯ブラシとフロスがあれば確かめられるものを挙げておきます。

  • 同じ場所でフロスが引っかかる、または毛羽立ってほつれる
  • 詰め物や被せ物の縁が、線のように黒ずんできた
  • 特定の歯の隙間に、毎回のように食べ物が詰まる
  • 噛んだときに、その歯だけ「浮いた」ような違和感がある
  • 前はしみなかった歯が、ときどき冷たいものに反応する

とくにフロスの引っかかりは軽視されがちですが、境目に段差ができているサインかもしれません。
先ほどの令和6年の調査でも、55〜59歳の29.3%が「ものがよく挟まる」と答えていました。
歳のせいと片づけず、一度診てもらう理由にはなると思います。

歯科医院での見つけ方と、エックス線の限界

歯科医院では、視診と探針に加えてエックス線写真で境目を確認します。
奥歯の隣接面を見るには咬翼法という撮り方が使われ、詰め物の下の透過像から虫歯を読み取ります。

ただし、ここにも限界があります。
金属はエックス線を通さないため、金属の詰め物の真下にできた小さな虫歯は影に隠れて写りません。
初期の段階では見逃されることもある、というのは正直に知っておいていただきたいところです。

だからこそ、拡大鏡やマイクロスコープでの観察、う蝕検知液、光を当てて透かす検査など、複数の方法を組み合わせます。
そして何より、同じ歯科医院で経過を追うことが効きます。
前回の写真と見比べて「去年より境目の影が広がっている」と分かることが、最も確実な発見のきっかけになります。

「銀歯は全部替えたほうがいいですか」への答え

これは本当によく聞かれる質問です。
私の答えは「いいえ」です。

古いというだけの理由で健康に機能している詰め物を外すと、そのたびに歯は削られます。
先ほど触れたとおり、やり直しの回数には限りがあります。
症状も所見もないのに予防目的で入れ替えるのは、寿命を前借りする行為になりかねません。

替えるべきなのは、境目に段差や着色があって虫歯が疑われるとき、エックス線で透過像が確認されたとき、繰り返し外れるとき、そして歯ぐきが下がって縁が露出しているときです。
判断に迷ったら、その場で決めず「今すぐ必要な理由」を聞いてみてください。
納得のいく説明ができる歯科医師なら、必ず答えてくれます。

今日から始められる二次う蝕の予防

ここからは、実際に何を変えるかの話です。
特別な道具は要りません。

フッ化物配合歯磨剤を、正しい量と使い方で

二次う蝕と根面う蝕の予防で最も費用対効果が高いのが、フッ化物配合の歯磨剤です。
2023年に日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会の4学会が合同で、う蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法をまとめています。

年齢使用量フッ化物濃度使い方
歯が生えてから2歳米粒程度(1〜2mm)900〜1000ppmF就寝前を含め1日2回。みがいた後にティッシュで軽く拭き取ってもよい
3〜5歳グリーンピース程度(5mm)900〜1000ppmF就寝前を含め1日2回。軽く吐き出し、うがいは少量の水で1回のみ
6歳〜成人(高齢者を含む)歯ブラシ全体(1.5〜2cm)1400〜1500ppmF就寝前を含め1日2回。軽く吐き出し、うがいは少量の水で1回のみ

大人が見落としがちなのは、量とすすぎ方です。
1.5〜2cmというのは、ほとんどの方が想像するより多い量だと思います。
そして磨いたあとに何度もうがいをすると、せっかくのフッ化物が流れてしまいます。
軽く吐き出すだけ、うがいをするなら少量の水で1回。
私自身、この2つを変えただけで歯科医院での指摘が減りました。

なお、インプラントなどチタン製の材料が入っていても、自分の歯が残っているならフッ化物配合歯磨剤を使ってよいと明記されています。
「金属が入っているからフッ素は避けたほうがいい」という話は、根拠がありません。

磨くのは面ではなく「境目」

二次う蝕は、詰め物の真ん中ではなく縁から始まります。
ですから、狙うべきは平らな面ではなく、歯と歯のあいだと歯ぐきとの境目です。

歯ブラシだけでは、歯と歯の接するところに毛先は届きません。
フロスか歯間ブラシを、どちらか1つでいいので毎日の流れに組み込んでください。
歯ぐきが下がって隙間が広がっている方は歯間ブラシ、まだ隙間が狭い方はフロスが向いています。

被せ物のある歯やブリッジの周りには、毛束がひとつだけのタフトブラシが便利です。
奥歯の裏側や、歯ぐきとの境目のカーブに毛先が入ります。

食べ方で、酸にさらされる時間を減らす

歯の表面は、食べるたびに酸性に傾き、唾液の力で少しずつ戻ります。
1943年にステファンが示したこの変化はステファンカーブと呼ばれ、いまも予防の基本になっています。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、う蝕予防の柱として、フッ化物応用とシーラント、歯みがきの励行、そして糖分を含む食品の摂取頻度の制限が挙げられています。
つまり、量よりも回数です。

甘いものを3時のおやつでまとめて食べるのと、飴を1日じゅう舐め続けるのとでは、後者のほうがはるかに歯に厳しい。
仕事中のペットボトルの甘い飲み物も、少しずつ長く飲むぶん、酸性の時間を延ばします。
やめる必要はありません。
時間を区切るだけで、口の中の環境はかなり変わります。

通院の間隔をどう決めるか

令和6年の調査では、過去1年間に歯科検診を受けた人は63.8%でした。
受診のきっかけとして最も多かったのは、かかりつけ歯科医院での定期検診で55.7%です。
以前に比べれば、通う習慣はずいぶん広がっています。

間隔については、一律の正解はありません。
詰め物や被せ物が多い方、歯ぐきが下がっている方、口が渇きやすい方は3〜4か月に一度。
治療の跡が少なく、清掃も安定している方なら6か月に一度でも十分です。
自分がどちらに近いかは、歯科医師や歯科衛生士に率直に聞いてみてください。

大切なのは、同じところで診てもらい続けることです。
去年の写真と比べられる相手がいるかどうかで、二次う蝕の見つかる早さは変わります。

詰め直すとき、材料はどう選ぶか

やり直しが必要と言われたとき、材料の話が出てきます。
判断材料として、大まかな違いを整理しておきます。

保険と自費、比べるときの視点

種類費用の区分特徴向いている場面
コンポジットレジン保険削る量を抑えられるが、縁が欠けやすく着色しやすい小さめの詰め物、前歯
メタルインレー(銀歯)保険変形しにくいが、歯と化学的に接着しにくくセメントに頼る咬む力の強い奥歯
CAD/CAM冠保険(対象となる歯に条件あり)機械加工で形は安定するが、外れや破折が起きることがある条件に合う小臼歯・大臼歯
セラミック・ジルコニア自費精密に作りやすく、汚れが付きにくい境目を長く保ちたい歯

材料そのものの性質だけを見れば、境目の維持という点でセラミック系が有利です。
表面が滑らかでプラークが付きにくく、接着の相性もよい。
ただし、自費である以上、費用と相談する話になります。

材料より先に、適合と接着と生活習慣

ここは誤解されやすいところなので、はっきり書いておきます。
二次う蝕になるかどうかは、材料の種類だけで決まりません。

海外の研究をまとめた報告でも、材料そのものより、隙間の有無と大きさ、その人の虫歯リスク、そして治療した歯科医師の技術のほうが影響が大きいと指摘されています。
どれだけ高価な材料を選んでも、型取りと接着の精度が甘ければ境目は開きますし、フロスを使わない生活が続けば結果は変わりません。

逆に言えば、保険の材料でも、丁寧に作られて日々きちんと清掃されていれば長くもちます。
私は自分の口の中に保険のインレーを何本も抱えたまま56歳になりましたが、いまのところ外れていません。
高いものを入れることより、入れたあとの付き合い方のほうが効きます。

まとめ

大人の虫歯が痛まないのは、歯が丈夫になったからではありません。
神経を取った歯は信号を出せず、歳を重ねた歯は自分から感度を落としているからです。
令和6年の調査で「歯が痛い」と答えた人が3.0%、未処置の虫歯があった人が28.2%という差は、その距離をそのまま表しています。

そのなかでも、治した歯の境目にできる二次う蝕は見つけにくく、しかも珍しくありません。
修復物の再治療の理由として最も多く、30年の予防プログラムを続けた人でも新しい虫歯の約8割がこれでした。

とはいえ、やることはそう多くありません。
1400〜1500ppmFの歯磨剤を歯ブラシ全体に取って1日2回みがき、すすぎは少量の水で1回だけにとどめる。
フロスか歯間ブラシで境目を毎日さらい、甘いものは量よりも口に入れる回数を減らす。
あとは、同じ歯科医院で経過を見てもらうこと。
この4つが続けば、次のやり直しはかなり先に延ばせます。

高校時代、校医だった恩師に「医療は人の心を診ること」と教わりました。
臨床を離れて20年以上たったいまも、あの言葉が書くときの物差しになっています。
不安をあおるつもりはありませんが、痛くないうちに確かめておけば、削る量はずっと少なくて済みます。

倉敷の実家では、いまも祖母の使っていた器で番茶を飲みます。
ひびが入る前に手入れをしておけば、器も歯も長くもつ。
陶芸を始めてから、そんな当たり前のことをよく考えるようになりました。
次の検診の予約を、この記事を閉じたあとに入れてもらえたらうれしいです。